福祉大国スウェーデンの選挙と政治ルポ特集9

戸別訪問・キャンバシングとIT

 キャンバシングと呼ばれる個別訪問は、投票のお願いだけではない。訪問先の有権者が何に関心が高いか、どういう政治意見を持っているかを聞き出す対話行為が重視される。

 党員やボランティアが個別訪問を数百軒こなしてもどって来る。するとその対話データはインターネットを通じてすぐに党のキャンペーン本部に送られる。それらがすぐに分析され、有権者のニーズのリサーチ結果が出され、次の戸別訪問の場所やテーマがはじき出される。

 この、足で歩く戸別訪問とITビッグデータをリンクさせた方式は、アメリカのオバマ大統領の選挙等で駆使されたものだ。「社民党でも若手スタッフが大統領選挙や予備選に実地で入り、スウェーデンでも採り入れられたの」と「キャンバシング・プロジェクトリーダー」のオルソンさんは語ってくれた。

早朝、キャンバシングに向かう全国のスタッフにネット動画でメッセージを送るロヴェーン社民党党首

早朝、キャンバシングに向かう全国のスタッフにネット動画でメッセージを送るロヴェーン社民党党首