福祉大国スウェーデンの選挙と政治ルポ特集8

スウェーデン流ドブ板選挙2

 ストックホルム市南部は移民街が多く住む。そのため、スウェーデン語が話せない住民が多い。彼らに投票してもらうため、戸別訪問にあたっては、複数の言語で書かれた政策リーフレットを準備して出る。英語やフランス語(アフリカ系移民)、ドイツ語(旧東欧系移民)、クルド語などの資材を持ってイザベルさんと団地を回る。

 「あなたは日本人だから中国系、韓国系移民の家なら筆談して」とイザベルさんが言う。

 六階建ての団地の上階からノックして訪ねる。土曜午前だが半数は留守。最初に扉を開けてくれたのはハンガリーからの移民女性だった。あいにくハンガリー語のリーフレットはない。困惑していたところ、部屋の奥から中学生の娘さんが出てきてスウェーデン語の通訳をしてくれた。住宅問題の説明をしたところ、その母親は支持を確約してくれた。

戸別訪問に持っていく各国語のリーフレットの入ったキャンペーン紙袋

戸別訪問に持っていく各国語のリーフレットの入ったキャンペーン紙袋