福祉大国スウェーデンの選挙と政治ルポ特集2

4年に一度の政治イベント

 スウェーデンでは、4年に一度、国会議員の選挙が行われる。かつては上下二院制だったが、迅速かつ合理的な意思決定のため上院を廃止して一院制となっている。投票の方法は、政党名で投票する比例代表制。全国を29の選挙区に分けて投票が行われる。

 こうした政権選択としての総選挙と並行して、地方選挙も行われる。日本で言うと「県」にあたる「ランスティング」、「市、基礎自治体」にあたる「コミューン」、それぞれの議員が同時に選出される。またこれら議員選挙以外にも、主要な政策に国民自身がイエスかノーを意思表示する国民投票・レファレンダムが実施される。

 主だった政治的選択を一度に、という超合理的な制度が高投票率に寄与しているとの分析もある。いっぽう「国政がメインとなってしまい地方選挙の争点が消えてしまうのが問題」と国際交流の仕事につくテレーズ・パーションさんは語る。議論が分かれるところだ。

世界の観光客が集まる「セルゲル広場」。選挙期間中は各政党の選挙小屋が軒を連ねる。公営で設置され、党員やボランティアが常駐する。国際性豊かに幾ヶ国語ものマニュフェストが置かれ、有権者との対話が行われる。

 世界の観光客が集まる「セルゲル広場」。選挙期間中は各政党の選挙小屋が軒を連ねる。公営で設置され、党員やボランティアが常駐する。国際性豊かに幾ヶ国語ものマニュフェストが置かれ、有権者との対話が行われる。