福祉大国スウェーデンの選挙と政治ルポ特集1

投票率85.8%、福祉大国は政治参加大国だった

 2014年9月14日、スウェーデンの総選挙が行われた。投票率は85.8%。ちょうどその3カ月後の12月14日に行われた日本の衆議院選挙の投票率は52.66%(小選挙区、総務省発表)、なんと30ポイント以上の差。国民の半分しか政治に意思表示しない国と8割以上が政治に物申す国のギャップは大きい。この違いが、多くの日本人が羨望のまなざしで見るスウェーデンの福祉の充実や女性の社会進出、高負担を可能としていることは、あまり日本では認識されていない。

 人口が日本の10分の1にも満たないスウェーデン。地理的にも遠く、日本との関係が密接なアメリカやロシアなどの大国と違い、日本のマスコミの支局はゼロ。当たり前すぎる理由だが、こうした関係と現状ゆえに、せいぜいロンドンやベルリンの日本メディアの支局員が「又聞き」の間接的な情報を流してくるだけだ。それだけに、この特集ではスウェーデンの生の現地情報と詳細な選挙レポートをお送りしたいと思います。

首都ストックホルム中心部にある選挙小屋で有権者と対話する環境党の地方選候補者

首都ストックホルム中心部にある選挙小屋で有権者と対話する環境党の地方選候補者