スウェーデンの比例代表選挙では、政策的に平等を重視する中道左派の政党群が伝統的に強い。左から順に紹介すると、左党(旧共産党)、環境党、社会民主党だ。この社民党が第二次大戦をはさんで、数年の例外を除き政権を担ってきた。
いっぽう、競争と減税を重視する右ブロックは、自由党、中央党(かつての農民党)、キリスト教民主党(欧州では各国に存在して伝統を重視する保守)、そして穏健党。この穏健党が右ブロックの柱で最大の支持を集める。新自由主義を掲げ経済競争と減税という急進的な政党だが、党名は「穏健」とし、呼称で急進性をやわらげていると言われている。
左と右陣営の各政党が、はっきりしたイデオロギーと政策を掲げつつブロックでまとまり議会の多数を目指すというのがスウェーデンの政治の特徴だ。そして、どちらのブロックと誰を首相にするかという「政権選択」選挙となっている。
首相、穏健党党首のラインフェルト氏。現在50歳、弱冠42歳で首相になったが、今回の政権交代で下野した責任を取り辞任。政界からも引退を表明した。