福祉大国スウェーデンの選挙と政治ルポ特集5

8年ぶりの政権交代、左派僅差の勝利

 2014年9月14日に投開票されたスウェーデン総選挙は、どの党とブロックも過半数に達しなかった。しかし前回多数を取っていた穏健党を中心とする右ブロック(「アライアンス(同盟)と呼ばれている)を、社民党を中心とした野党連合の左ブロックが僅差で上回り、新政権を担当することとなった。

 ちなみに左右各ブロックの得票率は、左派43.6%、右派39.4%。最大与党となった社民党の得票率は31%、最大野党の穏健党は23.3%だった。

 開票結果が出た後、社民党は「原発の廃止」を環境党と確認し連立内閣の成立を宣言。左党は閣外から協力するという決定をした。これで福祉国家を牽引してきたスウェーデン社会民主党の8年ぶりの政権復帰(2006年の選挙で敗北、下野)、そして環境党とは、歴代政権の閣外協力から一歩踏み込んだ連立政権組閣という形の、少数派内閣が誕生した。

ストックホルム市街の選挙小屋で活動中の穏健党の運動員。シンボルデザインの、「モデラート」の「M」の文字とスカイブルーをあしらったお揃いのジャンパー。

ストックホルム市街の選挙小屋で活動中の穏健党の運動員。シンボルデザインの、「モデラート」の「M」の文字とスカイブルーをあしらったお揃いのジャンパー。