第1回定例会 本会議質疑
 
CONTENTS 「防災モデル都市東京」について
「DV防止法改正に伴う東京都の取り組み」について
「観光産業振興プラン」について
◇2004年3月3日【第1回定例会一般質問】
1.「防災モデル都市東京」について
 
1. (五十三番大津浩子)それでは初めに、防犯モデル都市東京を目指しまして、防犯対策情勢についてお伺いをいたします。
本会議初日に、奥村警視総監から治安状況について報告がございました。治安回復取り組み2年目を迎え、検挙率がわずかながら上向きとの結果を伺い、警察及び緊急治安対策本部の皆様には敬意を表したいと存じます。
さて、私の地元の渋谷区は、若者の最先端の地、渋谷センター街を中心とした治安状況の悪化が大きな問題となっています。

昨年、稲城市の小学6年生4人の女児が監禁をされ、性の商品化寸前に助け出されるという社会的な波紋を呼んだ事件は、記憶に新しいところです。まちに青少年が集まれば、それを食い物にする大人が集まり、最初はおもしろ半分でも、味をしめ、奇異なる欲望に応じて、はいた下着を売る生セラを初め、出会い系サイトでの援助交際、最近では唾液すら売り、みずからの性を商品とする女子中高生が後を絶ちません。
また、渋谷の、クラブと称する深夜ホールでは、薬物の乱用や不法入国外国人による薬物販売など、非合法またはすれすれの薬物がいとも簡単に中高生が入手できる現状を、もう野放しにすることはできません。

そうした問題解決には、青少年みずからが犯すことへの歯どめと、有害環境の浄化という、ソフト、ハードの両面からの対策が重要だと思います。
渋谷を防犯モデル都市としてよみがえらせたい、まずは防犯対策を徹底的に講じることによって、留置場に入るような被疑者を予防段階で減らしたいと、地元の方々は治安回復を切に願っています。

青少年犯罪、非行並びに外国人らによる薬物犯罪などの実態を改めてお聞かせいただくとともに、今後のソフト、ハードの両面に対する対策や具体的な取り締まり内容について、警視総監にお尋ねいたします。


【警視総監奥村萬壽雄】渋谷の治安状況と今後の対策についてお答えをいたします。
渋谷におきましては、センター街を中心に深夜まで少年たちがたむろし、また徘回する状況が見られ、少年による犯罪が多発しておりますほか、少年がいろいろな被害に遭う危険性も少なくない状況にあります。

また、不良イラン人らによる薬物密売につきましても、以前のような目立った密売は、取り締まりによりまして少なくなってはおりますが、携帯電話を利用した密売を行っている状況がうかがえるところであります。
このため、警視庁では、非行少年、不良行為少年等に対する検挙、補導活動を強化してきておりまして、昨年は、渋谷管内で約千五百人を検挙、補導いたしました。また、薬物犯罪につきましても、覚せい剤、大麻等で、外国人を含めて268人を検挙いたしております。

また、こうしたことに加えまして、一方で、本年2月には、渋谷区役所に幹部警察官を派遣いたしましたけれども、自治体や関係機関と連携したいろんな対策を引き続き推進いたしますとともに、本年度予算で設置いたしました、センター街を中心とした街頭防犯カメラ、これの運用を今月下旬に開始することにいたしております。
渋谷地区につきましては、これからもソフト、ハードの両面での対策、また取り締まりを強力に推進してまいります。
2. (五十三番大津浩子)次に、防犯対策について二点ほど申し上げます。
見通しのよいまちづくりは、防犯対策に不可欠です。渋谷区では、首都高速三号線が国道246号線、青山通りの上に、そして四号線が甲州街道の上を走っています。住民にとっては、首都高速道路はまちの防犯と景観を決める重要な要因となります。例えば、甲州街道を歩いて、ふと空を見上げると、首都高速高架下に、余り使われなくなった歩道橋が重なるようにして道路をまたいでおり、二重のコンクリートに空が覆われ、まち全体が暗い印象になり、犯罪も起きやすくなっています。
今後の首都高速のあり方については、まち全体の景観に配慮するよう万全を期すべきと考えます。所見をお伺いいたします。


【都市計画局長勝田三良】まず、首都高速道路の景観への配慮及び騒音対策などについてでございますが、首都高速道路の高架橋などは、都市の景観を構成する要素として重要であると考えております。このため、現在施工中の中央環状新宿線では、換気塔のデザインやジャンクション部などの橋脚や遮音壁の形状、色彩について、周辺景観との調和に配慮することとしております。また、トンネル内で発生をいたします粉じんや騒音などの環境対策として、低騒音舗装や遮音壁の設置などさまざまな施策を実施し、環境への影響を極力低減することとしております。都といたしましても、これらの対策が確実に実施されるよう、さらに要請してまいります。
3. (五十三番大津浩子)次に、公衆電話ボックスのビラ対策についてです。
まちの治安と景観を悪化させているものに、歩道の公衆電話ボックス、電柱、変圧器に張られている、ピンクビラといわれる青少年健全育成に好ましくない張り紙、シールがあります。ニューヨークのジュリアーニ市長は、落書き等の軽犯罪の徹底した取り締まりをすることによって、大きな犯罪の発生を抑えました。
ピンクビラの撤去の費用については、富田俊正議員(新宿区)が取り組んだ屋外広告物条例の規制緩和を活用したいと存じます。公衆電話ボックスに広告を掲示することによって得る収入を、ビラはがしのための人件費に充当することによって、電話ボックスの美化に貢献できるものと考えます。所見をお伺いいたします。


【都市計画局長勝田三良】次に、電話ボックスなどに対する広告物の規制緩和についてでございますが、現在、東京都広告物審議会におきまして、避難標識など公益的物件への広告規制を緩和し、その設置及び維持管理費用に広告収入を活用することについて検討を進めております。審議会が昨年一月に取りまとめました中間答申では、公益的物件への広告規制の緩和に当たって、物件整備の必要性、交通安全への配慮、都市景観との調和などについて十分考慮することが必要であるとしております。
お尋ねの電話ボックスの広告の規制緩和につきましては、まちの美化や良好な景観形成の視点も重要と考えます。今後、最終答申を踏まえ、検討してまいります。
2.「DV防止法改正に伴う東京都の取り組み」について
1. (五十三番大津浩子)次に、DV防止法改正に伴う東京都の取り組みについてお伺いいたします。
2001年4月に公布された配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV防止法の改正骨子が、本年2月に参議院共生社会調査会で決定されました。この改正によりますと、都道府県、市町村の業務が大きく変化することが予測されます。

今回の法改正の重要な点は、国及び地方自治体の責務として、被害者の自立支援が明確化されたことです。この点、東京都にはこうした民間支援団体が多数存在しております。大変厳しい環境にありながら、これまで行政が配偶者暴力相談支援センターとして行ってきた被害者の一時保護、相談、情報提供以降の被害者支援を担っています。これら民間の支援団体との協働、協調と、さらには東京都としての支援が必要となります。
石原知事は、さきの定例会で、酒井大史議員(立川市)が取り上げた犯罪被害者支援の取り組みに見識ある姿勢を示してくださいました。DV被害者も犯罪被害者であるという視点から、民間支援団体の取り組みについてどのように感じておられるのか、お聞かせいただきたいと存じます。

【知事石原慎太郎】大津浩子議員の一般質問にお答えいたします。
まず、配偶者暴力被害者にかかわる民間支援団体についてでありますが、犯罪被害者と配偶者暴力の被害者とは必ずしも同列に論ずることはできないと思いますが、配偶者暴力の被害者が苦しい立場にあることは十分認識しております。

被害者に対しては、民間団体や区市町村と連携協力して支援をしていくことが必要だと思いますが、昔ならば、そうした夫婦げんかには、長屋の大家さんがちゃんと割って入るとか、隣組の長老が間を取り持つとか、いろいろあったんでしょうが、このごろ、地区の様式も変わってきましたし、そういう点で、今申し上げたような支援の体制が必要だとは思います。社会全体として被害者を支えていく風土をつくることが、まず重要であると認識しております。
2. (五十三番大津浩子)その上で、他道府県や市町村が先行的に実施している民間支援団体への財政支援について、前向きに取り組んでいただけますよう、担当局長の見解をお示しいただきたいと思います。
そして、当事者参加、参画の視点でお伺いいたします。

今回の法改正により、都道府県は、自立支援の実施に向けて基本計画を策定することになるわけですが、策定に当たりましては、当事者の意見反映が不可欠だと存じます。
残念なことに、さきに都がDVの加害者向けに作成したパンフレットが、被害当事者や支援団体から、作成時に当事者が参画していなかったことを指摘され、猛反発を買っていると先月の産経新聞で報じられました。

そこで、お伺いいたします。こうした事態を招かないためにも、当事者参加、参画をどのように進めておられるのか、また、今回取り上げましたパンフレットについての対応はどのように図られますのか、お考えなのか、お伺いいたします。


【生活文化局長三宅広人】配偶者暴力被害など、三点のご質問にお答えいたします。
まず、配偶者暴力被害者に係る民間団体への支援についてでございますが、民間団体は、それぞれ独自の立場から相談や一時保護などさまざまな活動を行っております。被害者支援に当たりましては、民間団体も含めたネットワークづくりにより、総合的な支援を行うことが必要であると考えております。民間団体に対しましては、連絡会議の開催等による情報提供や、人材育成のための研修などを行い、今後とも連携協力の促進に努めてまいります。
次に、加害者向けパンフレットについてでございますが、これは、配偶者暴力の被害の発生を防止するために、加害者が、その意識を変えていくきっかけとなることを目的として作成し、活用を図るものでございます。
また、被害当事者の参加、参画についてでありますが、現在、配偶者暴力対策のあり方を男女平等参画審議会で審議中でございまして、近く予定されております中間報告に対するパブリックコメントなども通じて、民間団体等さまざまな方からのご意見を反映してまいります。
3.「観光産業振興プラン」について
1. (五十三番大津浩子)三つ目に、千客万来の世界都市東京を目指しまして、観光産業振興プランについてお伺いいたします。
石原知事は、国よりも先行して観光を産業として位置づけ、カジノ実験、ホテル宿泊税の創設による観光振興策に取り組んでまいりました。
平成十五年の外国人観光客は、522万人という世界33位の人気のなさで、この数字は日本から海外への旅行者1,330万人の半分以下、国際旅行収支は2兆3千億円の赤字でした。国が最近になって、外国からの観光客を2010年には1千万人へという観光立国構想を掲げましたが、海外からの観光客のうち、56.5パーセントもの人が、ここ東京を訪れると推計されています。

観光客はここ数年伸び悩んでいますが、私どもも千客万来の世界都市東京にしたいと考えます。このためには、東京全域で魅力ある観光まちづくりの促進がかぎとなります。
都は今年度から、上野や臨海を観光モデル地区といたしましたが、私は観光まちづくりが都内全域で展開されることを大いに期待しています。例えば渋谷区は、若者があふれる渋谷駅周辺、流行最先端原宿・青山、ケヤキの表参道・明治神宮、国際色豊かな広尾、落ちついたたたずまいの松濤など、観光資源として多彩な顔を持っているように、都内全域にもそれぞれ特色のある観光資源がたくさんあるからです。
東京都はまず、観光まちづくりについて今後どのように取り組まれるのか、見解をお伺いいたします。


【産業労働局長有手勉】観光など、二点のご質問にお答えいたします。
初めに、観光まちづくりの今後の取り組みについてでございますが、観光まちづくりは、地元住民、観光連盟、商店街や地元自治体などが連携し、地域が主体となり、地元の魅力的な観光資源を生かしたまちづくりを推し進めるものであります。
現在、モデル地区の上野では、観光をテーマに、関係するさまざまな地域の人たちが協働し、旅行者が訪れたくなる活力あるまちの実現を目指し、動き始めたところでございます。年度末には、これらを参考に、全都的に広める基本指針の策定を予定しております。

今後は、シンポジウムの開催による指針の普及、各地域の中核となって活躍するリーダーの養成などにより、まちづくりの主体である地域の取り組みを積極的に支援し、観光まちづくりを都内全域に展開してまいりたいと考えております。
2. (五十三番大津浩子)また、渋谷では毎年秋、東京国際映画祭を共催しています。映画祭は、カンヌなど世界12映画祭の一つですが、世界マーケット2位の映画大国日本で開催しているにもかかわらず、現実には、石原知事もいま一つ盛り上がりが足りないと述べられているとおりです。お祭りとしてのにぎわいをつくり、商業ベースに乗せられるかの工夫も含めて、今後の東京国際映画祭の活性化に向けて、知事のご見解をお伺いいたします。

【知事石原慎太郎】次いで、東京国際映画祭の活性化についてでありますが、私もかつていろいろな形で映画にかかわったことがございます。映画は言葉を超えた国際語だと思いますし、その国の文化を端的に表現するメディアの一つだと思います。
これまでの東京国際映画祭は、ベルリンやカンヌに比べると、客も少なく、どうも作品のレベルも必ずしも高くなく、率直に申し上げまして、大津議員には申しわけありませんが、私は渋谷という町柄とミスマッチな気がします。そのために、前にいったように、混雑を意識しながらも、せめて有名な俳優や監督、プロデューサーが来るとき、日本人も外国人でもよく知っている人たちですから、入り口にレッドカーペットでも敷いたらどうだということで、実現もしましたが、しかし、もっといろんな工夫が要るんじゃないかという気がいたします。

映画祭を活性化するには、何よりもまず、やっぱり映画ファンが本当に感銘を受けるような作品の競い合いが欲しいと思いますし、それと同時に、映画祭を地域の一大事業として盛り上げようとする地元の熱意が不可欠だと思います。
渋谷における東京国際映画祭は、いろいろ東急関係の企業の好意を得て、協力も得ていますけれども、しかし、総体的に私は、やはり映画祭として地の利を得ていない、東京全体の観光の大きな資源として考えるなら、場所を考え直した方がいいんじゃないかということを、最初に私は関係者に申し上げたことがございますが、その候補地も幾つかあると思いますけれども、これはまた後にみんなで検討したらいいんじゃないかと思っています。
3. (五十三番大津浩子)次に、東京の魅力をどのようにして世界に発信していけるかと考えたいと思います。
実は、ニューヨーク五番街のように銀座でもカーチェイスをという知事の思いもあり、東京ロケーションボックスという撮影の相談窓口を平成13年からスタートしました。今後はロケ誘致なども、もっと積極的に東京をアピールし、ロケ誘致体制を充実したいところです。

「ローマの休日」という名画を思い出しますが、もう51年も前に制作された映画ですが、今も多くの観光客をローマに引きつける原動力となっています。ニューヨークでは、例えばロケ呼び込み政策を打ち出したところ、毎日60から90近い映画やテレビ撮影がされており、観光客の増加を含め、市にもたらす間接的な経済効果は、2000年に56億ドルを超えたと伝えられています。
東京には、石原裕次郎さんのような世界を代表する俳優もいらっしゃいました。いい俳優と内容と、いいロケ地によるたった一本の映画が、どれだけ千客万来の都市をもたらすでしょうか。お考えをお聞かせください。


【生活文化局長三宅広人】東京ロケーションボックスの充実についてでございます。
東京都では、平成13年度以降、都庁舎や公園、美術館など多くの都立施設を撮影に開放しておりまして、これまで約570本の映画やテレビドラマの撮影が行われました。現在、映画の制作者からは、民間施設や東京都以外の公共施設の紹介などの要望が出されております。今後は、民間や区市町村施設に関する情報を提供し、東京ロケーションボックスのサービスの充実を図ってまいります。
また、海外作品の撮影の誘致につきましては、国際フィルムコミッショナーズ協会に加盟いたしまして、積極的な展開を図り、東京の魅力を発信していきたいと考えております。
4. (五十三番大津浩子)テレビドラマや映画制作においては、ロケ地での撮影ばかりではなく、それらをつなぐスタジオ撮影も重要で、ロケとスタジオが車でいえば両輪となっています。そこで、例えば都内で広大な土地を有する地区に大型のスタジオ群を誘致すべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。

【港湾局長成田浩】臨海部へのスタジオ誘致についてのご質問にお答えいたします。
ご承知のように、最近では映画のロケ地やスタジオ自体が観光資源として注目されているところであります。映画やドラマ関係者のお話によれば、スタジオの立地条件としては、第一に、広大な敷地があること、第二に、出演者等の利便のため都心に近いこと、そして第三に、スタジオ周辺にロケで活用できる街並みがあることとのことでございます。

今般、フジテレビのスタジオが臨海副都心へ進出したことに見られますように、臨海部にはこれらの条件を満たす土地があり、スタジオ誘致に伴う、まち全体のにぎわい創出も期待できますので、引き続き積極的に誘致に努めてまいります。
5. (五十三番大津浩子)最後に、東京のものづくり産業の振興につきましてお伺いいたします。
これまで製造業を中心としたものづくり産業は、すぐれた技術と人により、技術立国日本を築き上げてきました。ところが、不景気が続き、製造業がリストラを余儀なくされた結果、ものづくり産業は職人芸の世界を失い、廃退の道をたどり始めました。熟練工が長年の勘と腕でつくり上げた特殊技術の再現は、コンピューターでは難しいのです。

この点、東京都は、東京ものづくり名工塾を大田、板橋、立川の都立技術専門学校で実施し、技能の継承を支えてまいりました。町工場などで働いていた熟練技能者の活用、町工場で生き続けていた、小さいけれども世界へきらりと光る技能の伝承を、さらに推し進めていただくための見解をお伺いいたします。


【産業労働局長有手勉】次に、技能の伝承の取り組みについてでございます。
高度な熟練技能を伝承することは、ものづくり産業の発展を図る上で極めて重要であります。このため、都は、来年度、東京ものづくり名工塾を4カ所目として江戸川技術専門校に拡充するとともに、新たに緊急地域雇用創出特別基金を活用いたしまして、離職した熟練技能者を中小企業に派遣し、若手技能者の実技指導や助言などを行うこととしております。
今後は、東京都優秀技能者の技能継承への活用促進など、これまで進めてきました事業の充実を含めて、熟練技能の伝承に積極的に取り組んでまいります。
6. (五十三番大津浩子)また、ものづくりを軽んじないような次世代を育てていくためには、子どものころからものづくりの喜びを体験してもらえる環境づくりが大切です。教育庁が昨年十二月発表の東京都教育ビジョン中間まとめに、子どもが成長に応じて職業に関する知識や技能を計画的に身につけていくというキャリア教育がうたわれております。東京の産業特性を生かしたものづくり教育は、東京の産業の活性化につながるキャリア教育の取り組みであると考えますので、ご見解をお伺いいたします。

【教育長横山洋吉】東京の産業特性を生かしたものづくり教育についてのお尋ねでございますが、学校教育におきまして、東京に蓄積された高い工業技術、IT技術、伝統工芸など、地域特性や産業特性を生かしたものづくり教育を進めていきますことは、東京の産業の活性化のためにも重要でございますので、各学校では、総合的な学習の時間や技術・家庭科などにおきまして、地域の人材や企業などの協力を得ながら、ものづくりなどの体験的な教育を行っているところでございます。
今後は、これらの取り組みに加えまして、児童生徒一人一人の勤労観や職業観をはぐくむキャリア教育の中におきましても、ものづくり教育の一層の充実を図っていくこととしまして、ご指摘の東京都教育ビジョンの最終まとめにおきましても、そこに明記してまいります。
(2)代表質問
3月2日には、都議会本会議で「代表質問」が行われ名取幹事長が都議会民主党を代表して、(1)平成16年度予算案について、(2)中小企業への金融支援について、(3)産業振興について、(4)労働行政について、(5)環境政策について、(6)住宅政策について、(7)福祉改革推進について、(8)特別支援教育について、(9)青少年問題について、(10)治安対策及び総合危機管理についての10課題、41項目に渡って質疑を展開しました。
その中で、新銀行について設立意義、中小企業に対する役割、地域金融機関との連携、都との関係について質し、議論の正常化の一歩を踏み出しました。また、支援費制度の下で昨年実施されたホームヘルプについて国の負担分である1/2を下回る補助金額を提示したことに対する見解について石原知事は「正に現場を持たない紙の上での数字合わせであり、国の財政破綻のツケを自治体と国民に押し付けることは許されない」と怒りを示しました。
(3)一般質問
3月3日、4日には、一般質問が行われ、大津も一般質問に立たせていただきました。なお、都議会民主党から大津を含め4都議が質疑に立ちました。選挙を支援していただいた方々をはじめ多くの皆さんが傍聴に来てくれました。感謝です。
相川博都議(八王子)の「空・山・川・街の切口からセキュリティからアメニティへの視点での防災都市計画樹立の提言」は、石原知事をも唸らせるものでした。相川都議の質問は、「基本計画は防災機能の視点に偏り、アメニティの視点に欠けている。非常時の空域活用のルールづくりや建設残土を活用した眺望公園、河川網の整備など、都市の景観、眺望、緑地などの視点も考慮した都市計画を提案する」と言うもので、知事は「同感だ。戦後の無計画な復興が残念な結果をもたらしたが、これから施策を講じる際には複合的・重層的な分析を重ね方向性を定めるべきだ。提案を参考にしながら、できる限り東京の魅力向上に努める。」と積極的に評価する姿勢を示しました。

大津ひろ子は、(1)治安対策について、(2)DV防止法改正に関する東京都の取り組みについて、(3)千客万来の世界都市・東京について、(4)ものづくり人材の育成についての4課題を取り上げ、知事、警視総監及び関係局長に質しました。

その中で、「DV法改正に関する東京都の取り組み」について、知事からDV被害者を犯罪被害者との関連で捉えた答弁が出されたことは、この課題の前進です。また、電話ボックスなどに氾濫するピンクビラをなくすため、富田俊正都議(新宿区)が提案した「公共物への広告を活用」したらどうかとの提案に、そのことも視野に入れて検討を進めているとの考え方が示されました。

翌日の新聞報道できは、「千客万来の世界都市・東京について」の中で取り上げた「東京国際映画祭」に関して、『東京国際映画祭開催地に渋谷とはミスマッチ』と、知事の答弁を受け取り上げられました。知事の指摘は開催地の熱意が欠けるとのものですが、私は、決してそうは思ってはいません。

柿沢未途都議(江東区)が取り上げた「緑内障早期発見に資する検査体制の充実」を求めたことに対し、健康局長、病院経営本部長からの前向きな答弁を引き出したことは評価されるものです。今後更に、追い続け課題の解決に向け会派として努力していきたいと思います。この「緑内障」の課題は、他に生命保険に加入しづらいことや、柿沢都議も質問の中で触れた、運転免許の課題などがあります。

山下太郎都議(北多摩第4)は、昨年起きた、韓国の地下鉄火災事故やオウムサリン事件を引き合いに出しながら、地下鉄の安全対策について質しました。

一般質問に立った都議は、2日間で25名にも上りましたが、今定例会の争点である新銀行に触れた質問は“0”。青少年健全育成条例も“0”。食品安全条例と港湾条例は“1”となっています。一般質問自体、議員個人が取り組んでいる課題や、地域の課題が中心となることから止むを得ないものですが、これから始まる予算特別委員会に比重がかかります。
一般質問終了後、設置が確認された「予算特別委員会」が本会議終了後に招集されました。
(4)中途議決
3月11日に、本会議が招集され、補正予算・組織条例一部改正条例などの先決が必要な議案を議決しました。議案に対する会派の姿勢を示す「討論」については都議会民主党を代表して樋口裕子副幹事長(中野区)が行いました。

討論では、第31号議案「東京都組織条例の一部を改正する条例」については、都議会民主党が予てから主張してきた効率的・効果的な執行体制の整備であるとして賛意を示しました。その中で、福祉保健局については、行政サービスの対象に対するアプローチの仕方が異なる部門が統合されることから、困難さがあると認識するものの行政サービスを受ける都民の立場に立った対応を求めました。また、第154号議案「平成15年度東京都一般会計補正予算(第五号)」については、東京の社会資本の整備に必要な事業量を確保するとともに、年度初めの端境期における事業執行の平準化を図ったものとして評価し、将来の財政運営に配慮した財政調整基金への積立を考慮し止むを得ないものとの考え方を示すなど、全ての議案に賛成するとの姿勢を示しました。

なお、「社会福祉施設等の整備費の国庫補助(負担)に係る協議基準等に関する意見書」が全議員による議員提出議案として出され即決されました。この課題は、先の本会議で多くの会派が取り上げた特養などの社会福祉施設整備費の国庫補助が一方的に削減されていることに抗議するものです。
(5)予算特別委員会
39名の委員による予算特別委員会は、会派代表による総括質疑を3月12日に、その後、15日、16日と一般総括質疑、そして、25日に会派代表による締め括り総括質疑が行われ、26日に付託議案の採決が行われました。
●「予算特別委員会〈会派代表総括質疑〉」
都議会民主党は青木英二政調会長より「新銀行」について、中小企業のメ光モとなることの確認と、一定の時期を見て見直しを行うことを確認しました。また、「食品安全条例」については、都・都民及び事業者のパートナーシップの確立、リスクコミュニケーションの充実などについて踏み込んだ質疑を展開しました。

●「予算特別委員会〈総括質疑〉」
1日目は、10人の都議が質疑に立ち、午後9時過ぎまで、行われました。
都議会民主党は、樋口裕子都議(中野区)が、保育、障がい者福祉施設の運営、私学の役割、人工降雨、臨海副都心開発などについて、初鹿明博都議(江戸川区)が、今議会に条例提案されている青少年の健全育成や、引きこもり対策などについて取り上げました。
2日目は、9人の都議が質疑に立ち、昨日より少し早まりましたが午後8時半過ぎまで、行われました。
都議会民主党は、土屋隆之都議(板橋区)が、「教育行政」について、花輪智史都議(世田谷区)が、「行政改革」についての一点に絞り込んでの質疑を行いました。

●「予算特別委員会〈締め括り総括質疑〉」
締め括り総括質疑には、都議会民主党を代表して富田俊正都議(新宿区)が質問に立ち「新銀行」について、小企業への融資実績を中間決算、決算期等に公表し総合的に検証することなどを確認しました。また、「都響」については、経営改善の視点から楽員のみなさんの提案を示し、行政改革を担当する総務局から前向きな答弁がありました。更に、表参道同潤会アパート再開発工事の仮囲いについて、地元の視点での質疑を行いました。

●「予算特別委員会〈討論・採決〉」
都議会民主党は、都議会自民党・都議会公明党とともに、第1号議案(新年度予算)について「新銀行」「都響」に関する付帯決議案を提出しました。
採決については、共産党が新年度予算他15議案に反対、生活者ネットが「臨海地域開発事業会計予算」に反対しましたが、知事提出の全議案が採択されました。
なお、討論には相川博都議(八王子)が行い「新銀行」については、「中小企業に対する資金供給、地域金融機関との緊密な連携、適切な監視を求める付帯決議を付すとともに、「官」としての信用力や影響力を背景とせず、公平な競争を行うものとすること、再出資は行わないこと、節目毎に経営計画を検証すること」を改めて求めました。
(6)議案への対応
3月30日に最終日を迎え、都議会民主党は知事提案の議案のうち、第1号議案「平成16年度東京都一般会計予算」に付帯決議を付し、その他の知事提出の全議案に賛成し採択されました。

議案採決に先立って中村明彦総務会長(台東区)が討論に立ち、「平成16年度東京都一般会計予算は、景気の穏やかな回復が見られる中での編成となりしたが、前年度比0.4パーセント減の5兆7080億円、一般歳出で前年度比1.2パーセント減の4兆2,214億円となっています。これは、この間の景気回復傾向により、都税収入の約4割を占める法人2税に1,161億円の増収が見込まれる一方で、銀行税の税率引き下げで昨年度比760億円、税制改正で同345億円のマイナス要因が働き、結果として56億円しか増収が見込めないためです。こうした厳しい財政状況にあっても、本予算では、治安の回復、福祉・医療の充実、中小企業・雇用対策、都市と環境の再生などの、緊急かつ重要な課題に施策を厳選して重点的に予算を配分しており、財政状況を勘案するならば、評価できるものとなっています。

しかし、各自治体がこうした厳しい予算編成を余儀なくされている中にあって、国の怠慢は許されざるものです。小泉内閣の三位一体改革も、自治体には裁量の余地のない国庫負担金を削減し、財源措置は国が配分権を持つ移転財源で賄うとあっては、中央省庁の官僚の言うがままであります。しかし、現場を無視した、戦略なき場当たり的補助金削減が横行しており、自治体への悪影響は看過できないものとなっています。国を変えなければ自治体も活きない、このことを肝に銘じなければなりません。」と都政を取り巻く情勢を整理し、「新銀行」、「青少年健全育成条例」、「食品安全条例」、「労政事務所設置条例」などについて、会派の姿勢を表明しました。
 

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