大津ひろ子の東京都議会発言
大津ひろ子
防災対策特別委員会における調査検討の経過及び結果について、委員会を代表してご報告いたします。
内容につきましては、お手元に配布しました調査報告書のとおりですが、概要について私からご報告申し上げます。
本委員会は、平成二十三年十二月十五日に設置され、東日本大震災を踏まえ、東京都地域防災計画の見直しに向け、今後、東京で発生が懸念されている大規模地震などへの対策強化について、約一年にわたり、十二回の委員会及び十回の理事会の開催や視察の実施、また、学識経験者を参考人として招致するなど、精力的に調査検討を行ってまいりました。
委員会で調査検討いたしました主な事項につきましてご報告いたします。
委員会では、まず、都における防災対策について理事者から報告を受け、東京都地域防災計画の現状、東京都防災対応指針、東京都地域防災計画の今後の修正及び木密地域不燃化十年プロジェクト実施方針について調査いたしました。
次に、平成二十四年四月十八日の東京都防災会議において承認された首都直下地震等による東京の被害想定について理事者から報告を受けた後、東京都地域防災計画の見直しに関連して、東京大学地震研究所教授の平田直さんを参考人としてお招きし、首都直下地震に関する最新の知見について専門的な立場からご意見を求めました。
その後、今後の都における防災対策の参考とするため、大都市における震災である阪神・淡路大震災の被災地、兵庫県を視察し、震災対応の課題及び復興状況を調査するとともに、体験者から震災当時の経験と現場から得た貴重な教訓等についても話をお伺いいたしました。視察終了後、これまで報告された都における防災対策と東京都の新たな被害想定について質疑を行いました。
都における防災対策については、都、区市町村等の役割、初動態勢、広域的な連携体制、都民や地域の防災力向上、安全な都市づくり、ライフライン等の確保、津波等の対策、情報通信の確保、医療救護対策、帰宅困難者対策、避難者対策等について活発な質疑を行いました。
都の新たな被害想定については、見直しの基本的な考え方と特徴、国の被害想定との整合性、都民への広報、地域防災計画修正における被害想定結果の活用、被害想定の策定体制等について質疑が行われました。
質疑終了後、東京大学地震研究所教授の佐竹健治さんと明治大学大学院特任教授の中林一樹さんを参考人としてお招きし、佐竹教授からは津波に関する最新の知見、中林教授からは首都直下地震等による被害像について、それぞれ専門的な立場からご意見をお聞きいたしました。
次に、平成二十四年九月十二日に公表された東京都地域防災計画修正素案について理事者からの報告を受けた後、修正素案に対する質疑が行われましたが、前回と同様に幅広い視点から、想定外は許さないという覚悟で真摯な質疑が行われました。
その後、修正素案に対するパブリックコメント等を経て、平成二十四年十一月十四日の東京都防災会議において決定された東京都地域防災計画の修正について理事者から報告を受けた後、各会派による意見開陳を行いました。
本委員会は、都における防災対策の現状、東京都の新たな被害想定、東京都地域防災計画の修正について理事者から報告を聴取するとともに、大規模地震などへの対策の強化、防災力の向上のため、質疑を通じて具体的な提案を行いました。
また、首都直下地震や津波などに関する最新の知見や新たな被害想定への反映状況等について、学識経験者を参考人としてお招きし、専門的な立場からご意見をお聞きしました。
都民の命と安全を守るために、東日本大震災を初め、過去の大地震から図らずも得た教訓を踏まえ、実効性ある防災対策へと昇華させて、東京の防災力を高度化させていく決意です。
本委員会における調査が、高度防災都市東京の実現につながることを確信して、防災対策特別委員会の報告とさせていただきます。(拍手)