インターン

インターン記録 Vol.3 防災編

首都東京の防災を体験しながらレポートを書いてもらいました。

地元の防災訓練に参加レポート
代々木公園のベンチが「かまど」に変身 防災公園に

山﨑美来 駒澤大学・法

〇 防災かまどベンチの使い方

代々木公園で防災かまどベンチを使った代々木5丁目町会主催の防災訓練が行われました。防災かまどベンチとは、災害時に、ベンチを解体して、煮炊きのための「かまど」として使用できるベンチです。
使い方は、

  1. 専用の道具を使い、ベンチについているネジを取り外します。
  2. ネジを取り外したベンチの補助足を引き出します。
  3. 風除け、炭置をセットします。
  4. 新聞紙、木の枝などを使い火を起こし、上に鍋を置いて使用します。

普通の公園ベンチが、非常時に「かまど」に変わることに驚きました。
せっかく災害時に役立つものがあっても、使い方を知らなければいざというときに使うことができません。日頃から災害を想定した訓練が大切だと思いました。
また、災害が発生した時に一番動くことができるのは若者です。だからこそ、若者たちがもっと防災に対する意識を高めるべきです。
今回この防災訓練に参加して、地域の人々とのつながりや訓練の大切さを学んだので、このことを周りの友人たちに伝えるとともに、またこのような機会があれば積極的に参加していきたいと思います。

防災備品・梅わかめごはん を食べてみる

草野椋亮 早稲田大学・政

今回は、お湯または水を注ぐだけでご飯が出来る尾西食品の梅わかめごはん試食した。
お湯の場合は15分、水の場合は60分でふっくらとした約260グラム(おにぎり2個分くらい)のご飯が出来上がる。実際に非常食として食べるときは水で作ることが考えられる。
白米ではなく梅わかめなどの味付きで、乾パンに飽きたときにありがたい非常食である。

災害備蓄品(保存用パン)を開けてみた

草野椋亮 早稲田大学・政

 災害備蓄保存用パンときいて乾パンのような固いパンを想像していたが、開けてみると見た目にもおいしそうなふんわりとしたパンが出てきた。
缶は道具を使わずに開けられるようになっていて、災害時でも簡単に食べられるようになっていた。
さらにパンは紙に包まれ逆さに入っていて、手が汚れていても直接パンに触れることなく食べられる工夫がされていた。
また味もただのパンではなくチョコチップ味となっていて、調べてみると他にも様々な味があることがわかった。
災害時でも食事に飽きないような工夫がされているのである。
5年間も保存が可能となっていて、災害時の食事も楽しむことができるようになっていると考えられる。

【本所防災館】もしも災害もしくは火災が起きた時に、どのような行動を取らなければならないかを体験できた。

9時~17時 無料 水休み 第3木休み 年末年始12/29から1/3 墨田区横川4-6-6 電話 3621-0119 錦糸町駅、押上駅から徒歩10分 

鳥越結月 國學院大學:法

本所防災館では水害体験、地震や煙体験と様々な体験コーナーがありました。
水害体験に関しては、車が水没したとき、少しの水の量でも車のドアを開けるのは、男性の力でもかなり厳しいことが分かりました。

地震や煙体験では、東日本大震災や阪神淡路大震災と同じ震度で地震の体験をすることができ、こんなに大きな揺れを被災者の方は感じたのかと思うと胸が詰まるような思いになりました。
日本は地震が多い国なので、防災館での体験は役立つなと思いました。

石井学武 専修大学・法

本所防災館で水害体験をした。 水に浸かったドアは、水深30cmでも水圧力により、ドアを思いっきり押しても開けることができなかった。改めて水害の怖さを知った。
次に阪神淡路大震災の地震を体験したが、初めに縦揺れの大きい地震が来たので立っていることも出来なかった。このような地震が来た時は真っ先に命を守る行動をしなければならないと感じた。
そして煙体験では、「煙」は縦に早く、横にゆっくりと進むと教わって、知らなかったので良い勉強になった。

さらに暴風と大雨の体験をしたが、立っていることが精一杯だったので、台風の時などの外出は極力避けなければならないと思った。
最後に見たシアターでは、関東大震災、阪神淡路大震災、東日本大震災の様子が上映されていた。しかし、私は東日本大震災しか経験していなく、経験していない関東大震災や阪神淡路大震災の被害の様子を知れる良い機会になった。

   太田日々輝 専修大学・法

~池袋防災館と本所防災館の違い~
本所防災館では、川に近いこともあり、雨風・水害コースを体験できた。消火体験・応急手当コースもあります。
やはり目玉といったら水害体験である。水深10.20.30 cmの順でドアの重さが変わっていき、そのドアを押すという体験ができる。このドアは普通のドアと車両のドアという2つのシチュエーションが用意されている。

防災館では、見学を終えるとカードをもらえる。このカードを5枚集めると修了証を発行できる。
また、防災館は池袋、本所、立川の3箇所あり、それぞれの防災館で特徴があるため、飽きずに楽しく学べるのも良い点である。

【池袋防災館】救急・消火・地震・煙体験

豊島区西池袋2-37-8(東京消防庁池袋消防署4・5F)
9:00 – 17:00(毎週金曜日は21:00まで開館)無料
電話 3590-6565 池袋駅西口徒歩5分 
第1・第3火 年末年始(12月28日 – 1月3日)

松本理佐 國學院大學・文

ここでは、救急・消火・地震・煙体験をすることができた。
特に印象に残ったのは煙体験である。内部は暗く、煙が充満していた。
周囲はほとんど見えず、ハンカチをあてているにも関わらず煙を模した甘い匂いが鼻を突いた。
低い体勢のまま煙を吸わないように移動することの難しさ、そして火災の恐怖を肌で感じることができた。

【消防技術安全所】東京消防庁の科学捜査研究機関

展示室無料 9:00~16:30 土日祝休 
渋谷区幡ヶ谷1-13-20 笹塚駅5分 電話3466-1515 
開館時間 : 9:00 – 16:30  京王線「笹塚駅」から徒歩約8分

地下に、地下鉄銀座線が埋め込まれており、サリン事件も踏まえて、地下や車両からの救出訓練ができる。
恒温恒湿室は、温度は-20℃~+80℃、湿度は10~80%まで設定でき、熱中症や凍傷など対策を打てる。

自力でふくらむ土のうを全国に!

前田利章 明治大学・法

西日本豪雨が起きてはや1か月が経過した今日、私は東京消防庁消防技術安全所を見学した。
土のうのような物で「吸水ゲル水のう」(写真)が展示されていた。

私は「吸水ゲル水のう」が浸水被害を抑えることが期待できるので、全国的に普及すべきだと考える。
この器具最大の利点は、土のうとは違い、土を袋に詰めるという重労働作業をせずに容易に浸水対策ができる点だ。
この「吸水ゲル水のう」というのは、見た目は灰色の薄い袋だが、水を吸うと、自力で体積が約12倍にもふくらみ、土のうと同じ様に水の侵入を防ぐことができる器具である。
他にも画期的な器具が展示されているので、是非1度見学に行き、防災意識を高めると共に、災害への備えを万全にしていただきたい。

石井学武 専修大学・法

火災現場で消火活動を行うだけではなく、火災の原因、消火活動の推進を担っている研究機関でした。
危険物質検証課では、都内で発生してした自然発火も動植物油に含まれる成分が主な原因であると究明された。
また、消防士の防火服など消防装備の開発、極暑の中熱中症にならないように等。
要救助者を一刻でも早く助けるための、放水技術、設備等を日々開発していた。

【消防博物館】消防の歴史について実物を見ながら学ぶ

新宿区四谷3丁目10(四谷消防署が同居) 電話 3353-9119
丸ノ内線「四谷三丁目駅」下車すぐ 無料
9:30 – 17:00  月休 年末年始12/29-1-3

地下1階 歴代の消防車が展示
2階 実際に消防署として運営
3階 現代の消防について
4階/5階 消防の歴史
6階 企画展示
屋上階 ラウンジ

江戸時代から現代に至るまでの消防の進化

太田日々輝 専修大学・法

ここでは、江戸時代に始まった「火消し」から現代の「消防」までの歴史をフロアごとに残されている。
江戸時代において、消防活動は「火消し」と呼ばれていた。この時代には、放水技術などはなく、延焼を防ぐために周りの建物や家屋を破壊して、消火をしていた。
それが、明治時代に入ると蒸気技術が発展し、蒸気ポンプが導入された。
この時代は馬が蒸気ポンプを運んでいたが、大正に入り、消防自動車が導入された。
そして、昭和には二輪バイク(赤バイ)、消防ヘリ、そして、1 19番専用電話等の現代に受け継がれているものが普及し始めたのである。
最上階にはラウンジがあり、晴れた日には東京スカイツリーを見えたり、地下1階には歴代の消防車が展示してあったりと、とても楽しい場所であった。

石井学武 専修大学・法

レトロな消防車がたくさん展示されていた。また、消防士のシミュレーション体験ができる施設があり、運転しながら地図を見て現場に到着したらすぐに消火活動をするという流れだった。
体験したら、思ったより難しく非常に大変だった。

江戸時代の消火方法も見学したが、その消火方法が“破壊消火”と言われるもので、風向きや火の勢い、家並みの構成などの状況を判断して、取り壊す家を指示し延焼を食い止める手法だったらしく衝撃だった。
さらに衝撃だったことが、この消火方法が江戸時代中期までされていたということで、壊された家は大変だと感じた。

鳥越結月 國學院大學・法

中でも一番印象的だったのは、江戸時代の消火方法です。その当時は、風と火の向きを読み取って延焼を食い止めるために家を壊す破壊消火が主流だったそうです。
また、実際に使われていた昔の消防車両や消防ヘリコプターが展示されており、どのくらいの大きさなのか自分の目で確かめることができました。
大人だけでなく子供も楽しめる博物館だなと思いました。

渡部千尋 日本大学・法

消防博物館で今回取り上げた写真は、マンホールの中身と拍子木である。なかなか普段見ることのできないものにとても驚いた。


・マンホールの中身
・とても長いホースが入っている


・拍子木の写真
・火事の警戒を呼びかける

消防学校 実科査閲に行って…

鈴木千尋 日本大学・法

8月の晴れ渡る空、照り付ける太陽の下、大津都議にご一緒させていただき、消防学校(渋谷区幡ヶ谷)の実科査閲の見学に行ってきました。
実科査閲とは、4月に入校してからの半年間の訓練成果を、学校関係者をはじめ、自分の両親や家族、近隣住民の方に披露する機会です。
容赦なく照り付ける太陽とその照り返しによって猛烈な暑さになる運動場で、生徒の方々は真剣に、一生懸命、実技科目をこなしていました。

  1. 実科査閲の概要
     消防士やその関係者の方でなければ、消防学校の「実科査閲」というものには、なかなか馴染みがないかもしれません。
     そこで、実科査閲の内容を、掻い摘んでではありますが、ご紹介させていただきます。
    (都議と私は途中からの観覧でしたので、最初に行われていた通常点検、小隊操練、防災指導等の説明は、今回は省略させていただきました。)
    1. 結索法
      結索法とは、要救助者の救出や資器材の搬入を行う際に使う技術のことで、「小綱」という約4.5メートルのロープと20メートルのロープを迅速、かつ確実に結びます。
       ごく簡単に言ってしまえば「太い綱を結ぶ」だけなのですが、それを行う生徒一人一人の真剣さや気迫に圧倒され、またその綱を結ぶ速さに驚かされました。
    2. 呼吸器取扱い・防火衣着装
      空気呼吸器の確実な点検と、防火衣などの迅速な着装を行います。
      災害現場で隊員自身の呼吸を確保するために最も重要な資器材である空気呼吸器と、800℃以上の炎や熱気が容赦なく襲ってくる過酷な火災現場から隊員を守る防火衣は、隊員の命を直接的に守るために大変重要なものです。

      座って見ているだけでも目が眩むほどの猛暑の中でしたが、総重量約8㎏と言われる空気呼吸器と防火衣の着装は、その大変さを感じさせないほどに気迫のこもったものでした。
    3. 応急はしご救出
       これは、はしごを活用し、現場に取り残された意識のない要救助者を救出する方法です。
      はしご1つが約30㎏超ということで、入校当初は担ぎながらでは長距離を走れませんでしたが、日々の苦しい訓練により今では軽々と運べるようになったそうです。
    4. 渡過法・降下法
       渡過法とは、足場がない空間にロープを張り、消防隊員がそのロープを渡る技術で、河川の中州に取り残された要救助者の救出などに用います。
      今回の実科査閲では、渡過法ではセーラー渡り、モンキー渡り、チロリアン渡りの3種類が実施されました。
       また、降下法とは、建物などの高所から救助ロープを活用して降りる技術です。
       先生もおっしゃっていましたが、ロープを渡れる、というだけでとてもすごいことだと思います。
    5. 救急実技
       この救急実技では、三角巾を使用し、止血を行うための包帯法や骨折等を固定する固定法、またAEDによる心肺蘇生法が行われました。
       この訓練は、私自身も運転免許を取得する際の実技で似たような訓練を行っていたので、多少の親近感を覚えながらの見学でした。
    6. 消防活動総合訓練
       消防活動総合訓練では、これまでの様々な訓練を一挙に行い、最後に放水を行います。
      この訓練がこれまでの訓練の集大成として行われ、これをもって実技査閲が終了します。
       救急車や消防車も使用しての訓練は、様々な訓練を一気にやることでスピード感があり、見ていて圧倒されるものでした。
      また、日光照り付ける猛暑の中の見学でしたので、最後の放水の際、頭上から降り注ぐ霧雨のような水は、寒いというよりも気持ちの良いものでした。
  2. まとめ 人命救助の訓練に終わりなし
      この日は最高気温36度にも上る猛暑日で、しかしそんな中でも消防学校の運動場に行くと、生徒のご両親をはじめ近隣に住んでおられる方も多く見学に訪れており、驚きました。
     また、最後に校長先生からのお話がありました。

    そのお話の中で、「消防活動とは、個人活動ではなく団体活動である。また、これまでの訓練中にできたことであっても、実際に現場に出るとできなくなってしまうこともある。 だから、残りの時間で本日の訓練で各自が見つけた課題を改善し、配属された時には、一点の曇りもない状態でそれぞれの部署へ行ってください」とおっしゃっていました。
    消防活動というのは、一人だけが頑張っても意味はなく、その活動に関わる全ての人々が自らの持つ力のすべてを発揮することで、初めて「人命救助」という大きな目的を達成できるのだということを表した素晴らしいお話でした。
     そして、実科査閲終了後、都議が現在ハイパーレスキューで活躍されている方とお話をされた後に、以前その方に都議が「どうしたら人を助けられるようになるのですか?」と質問した時、その方がただ一言「日々の訓練によるものです」と答えられた、ということを教えていただきました。

     消防学校で掲げられる標語に、「訓練に終わりなし」というものがある、ということからもそうですが、日々積み重ねた訓練こそが、厳しい現場で己を守り、また「人命救助」という使命を全うする力になるのだということを、この日見た訓練でも、たくさんの方に聞いたお話でも一貫して感じました。 
     過酷な訓練に耐え、これから命を守る現場に出ていこうとする姿はとても格好よく素敵でした。
    この日、このような場に立ち会わせて頂けて、本当に良かったと思いました。