「東京消防庁 消防学校技術安全所 特別ルポ」編
渋谷区西原2-51-1
消防学校
――消防人を生み出す教育訓練――
災害の伝承、教訓の伝承
地元にある東京消防庁の消防学校や技術安全所の中では、どのような教育訓練や研究が行われているのでしょうか。特別ルポ。
消防学校は、大正3年10月に「消防練習所規程」が制定され、麴町区元園町3番地先(現千代田区麴町一丁目2番)に木造2階建ての2教室で開設し、100年を超える歴史があります。
昭和25年、渋谷区西原に移転し、昭和39年に旧第一校舎、昭和45年に旧第二校舎が開設されました。
消防署の朝は、「消防うどん」からはじまる。ただし“うどん”と“汁”は別べつヨ!
食べている時に、緊急出動要請が入ってくる、即出動! 戻ってきたら、うどんが汁を吸って膨張すごいことになっていた…。
だから、つけ汁形式。
各消防署に、各隠し味があり、各具材も肉、根菜など特色がある。
消防うどん 秘蔵レシピ
■材料名■ (1人分)
1. | 肉麦畑うどん(北海道産小麦) | 250g |
| *ゆでて八角皿に盛る(汁は黒丼に別盛) |
2. | 水 | 270g |
| *下ゆでした食材を油で炒め開店釜に水、だしを入れ煮る |
3. | 和風だし(黒潮だし) | 270g |
| *(火にかけておくので材料はかために仕上げてください) |
4. | 豚バラ脂付3㎜スライス 30㎜幅カット | 55g |
5. | さつま揚げスライス | 10g |
6. | たまねぎ1/4 10㎜ | 40g |
7. | ささがきごぼう | 10g |
8. | 大根銀杏4㎜ トン汁用 | 30g |
9. | 人参銀杏3㎜ | 10g |
10. | 白菜角30㎜ | 40g |
| *下ゆでした食材を油で炒め開店釜に水、だしを入れ煮る |
11. | サラダ油 | 2g |
12. | 秘伝つゆ | 35g |
| *調味料を入れる |
13. | 醤油(こいくち)1.8リットル | 7g |
14. | 和風だし(黒潮だし) | 1g |
15. | 調理ごま油 | 2g |
| *鍋は2つにわけ具が均等に盛れるようにする(360㏄レードル) |
16. | 長ねぎ | 10g |
17. | 卓上七味唐辛子 | 0.2g |
隊員が身に着ける衣服備品は17kgになる。火災など緊急出動時、1分で防火服に着替え、出動!
なんと!わずか1分!で防火服を装着するのは、神業だ。そっと教えていただいた【コツ】衣類、靴など身に着けるものを身に着けやすいように事前に配置し整えておくこと。
隊員の出動への不安は、実践練習と勉強の繰り返しによってのみ取り除くことができる。
模擬消火訓練装置を活用し、火災や煙、爆発音を発生させて実際の火災現場と同様な状況を作りその中で消火訓練が行われる。本番通り隊長を中心に訓練が行われる。隊長の役割は大きく、消火方法の話し合いの後隊長から隊員へ指示、隊員から隊長への報告という形がとられる。厳しい状況でも優れた判断力と高い技術で特殊な道具を使い人命を救助する。
地下鉄銀座線の実物大旧車両や模擬煙発生装置が、地下に配置。地下鉄火災やサリン事件、地下街の火災を想定した訓練を行う。
【災害史安全教育室】 同じ過ちを繰り返さないために
過去の特異火災事例を学ぶ。災害の伝承、教訓の伝承。
歌舞伎町ビル火災は、ビル従業員が扉を開けたバックドラフト現象が起き、また、避難階段は物が置かれ、悲惨な火災となった。
こうした過去の特異火災の事例を学ぶための部屋。火災で燃えボロボロになった防火服も展示されていた。私たちも同じ過ちを繰り返さないように、努力しなくてはいけないと。
命がけの消防活動に涙がこぼれ撮影不能となり写真は無い。
この火災により消防法が大幅に改正になった。自動火災報知設備強化、罰則の強化、防火管理の徹底などである。(ウィキペデア参照)
救急実習室の標語: 「全ては傷病者のために」
毎日この標語を胸に刻み訓練に入る。
実物大の救急車を設置、救急救命訓練を行う。観察、呼吸、循環管理用の資器材、訓練用人形などを備えている。令和元年は、救急回数825,929回。1分あたり約1.5回の救急車が出場したことになる。
心配蘇生やAEDなど救急救命の術を学ぶ。隊員が背負う空気呼吸器(酸素ボンベ)は30分間しかもたない。スピードが勝負。
消防設備であるスプリンクラーは、72℃で作動する。散水量は、1分500L、風呂が20-30秒でいっぱいになる量。
*プリンクラーとは、天井などに設置される自動散水装置のこと。火災時、熱で散水口の金属片が溶けて、自動散水される。
模擬設備を活用して、消火・警報など消防用設備の検査・査察実習をする
放水消火訓練。
消防学校と隣接【消防技術安全所】 東京消防庁の科学研究所
火災・消火に関わる諸々の科学的検証を行う研究所。
これは都民とともに消防隊員の安全確保と技術改良につながる。
・火災性状、消火に関する検証 ・消防装備等に関する検証 ・都民生活安全化等に関する検証
・危険物等に係る災害に関する検証 ・消防活動に係る生理、心理学的検証 ・救急活動に係る検証
【恒温恒湿室】
恒温恒湿室は、室内をマイナス20℃から80℃まで再現できる。また、太陽光に近い光を出す照明も備え、酷暑や厳寒環境も再現でき、体験できる。隊員の安全を確保する防火服や道具の開発につなげる。写真は、マイナス20℃から80℃までの室内で写真を撮っている場合ではなかったため、写真はない。
電子レンジ700Wで肉まんを6分加熱することにより発生する急速な燃焼に関する実証実験
【消防技術安全所 展示室】
予約なしで入れる展示室。防火防災を学ぶことができる。
公開時間 平日9:00~16:30
渋谷区幡ヶ谷1-13-20 電話(03)3466-1515