談話室

平成26年9月24日(水) 街の臭みをなくして快適な街へ ビルピット臭気を防ごう<環境編>

 街を歩いていると、なんとなく臭いなあと感じたことはありませんか?もしかしたらその臭い、ビルの地下排水槽が原因かもしれません。

 都に寄せられた悪臭に関する苦情1,065件(平成25年度)のうち、816件、およそ77%がビルの地下排水槽(以下ビルピットと呼ぶ)に起因する苦情だということがわかりました。やはり繁華街やビルの多い地域が臭気苦情件数も多く、港区130件、渋谷区118件、中央区96件の順となっています。渋谷区の場合は、臭気苦情件数118件のうちビルピットに起因する苦情が107件、およそ91%を占めるそうです。
danwa_20140924_1.jpg  地下階を有するビルでは、し尿や洗剤などを含む汚水を、一時的にビルピットに溜めます。ビルピットに長時間溜まっていた汚水が腐敗しはじめると、硫化水素が発生します。この硫化水素を含んだ汚水を、ビルピットから一般道路の下水道管へ放流する過程で、硫化水素が気化するため、下水道管に流れ込んだ汚水の中から気化した硫化水素が、「雨水ます」という道路上の脇に設置されたますの目から、悪臭(一般的に卵の腐った匂いとも言われる)となって地上へのぼってくるのです。

 ビルピット臭気を放置しておくと、街やお店に人が寄りつかなくなるだけではありません。硫化水素が硫酸に変化すると下水道管を腐食させ、構造物がもろくなります。ビルピットの管理は主に建物所有者が担っていますが、都の調査によると、多くのビルオーナーが、悪臭が発生していることや、その原因が自分のビルにあることに気づきにくいのです。というのも、ビルピット臭気は強烈な悪臭ですが、排水する時間が数分間と短時間であり、この時間にちょうど屋外に出れば臭いに気がつきますが、建物内にいると悪臭に気がつきません。

 臭気に対しては、悪臭の発生源を特定し、排水を長時間溜めないように低水位運転やタイマー運転や曝気を行うなどの改善や、「雨水ます」に防臭キャップを取付けるなどの対策があります。 他にも対策はいろいろありますが、ビルピットの臭気についてお困りの方は、東京都下水道局ホームページをご参照ください。

ビルピットとは?
 ビルピットとは「地下排水槽」のこと。
つまり、ビルの地下にある厨房やトイレ等は、下水道管より低い位置にあるため、排水を自然に流下して排水できない。このため、地下部分で発生した排水を、ポンプで汲み上げて、下水道に排水する。このとき、排水を一時的に貯留する排水槽を「ビルピット」と呼ぶ。


下水はどうして臭くなっちゃうの?

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