平成26年1月5日(日) 「代々木」という樹 代々の木
初詣客で賑わう明治神宮。あらたまった気持ちで鳥居をくぐり、参道を進んでいくと「代々木」という高さ17メートルの大樹が植えられています。代々この場所に、モミ(樅)の大木があったことから、この周辺が「代々木」と呼ばれるようになったとのことです。
「東海道五十三次」の作者安藤広重も「江戸土産」の中の一つに「代々木村の代々木」と題して描いています。また、黒船来航の際には、見張りがこの大樹に登って、遠眼鏡で監視するのに利用したとも言われていますが定かではありません。しかし、東京湾から原宿駅までの直線距離は4.851キロメートルで、想像よりも原宿から海は近いのですから、考えられますね。
この名木は、明治中頃に枯れ、昭和20年の戦災で焼け落ちてしまったそうで、現在ある代々木(樅の木)は戦後昭和27年4月3日に植樹されたそうです。明治神宮の森は、今では都心部の貴重な緑地ですが、造園科学の粋を集めた先人の「百年の計」と管理に携わってきた方々の努力が実ったものです。私たちも未来のために代々に引き継いで行きたいものです。