談話室

平成24年1月10日(火) 150年余東京の火災第1部 安政の大地震<地震編>

 東京は、この150年間余で、安政の大地震、関東大震災、そして東京大空襲と3度焼け野原になりました。
安政2年10月2日(1855年)、江戸で直下型とみられる地震が発生しています。
理科年表で確認してみると下町で特に被害が大きく、地震後30箇所余りから出火したと記されています。「風が静か」であったことから、消失面積は2.2k㎡とされていますが
武家や寺社、町方など夥しい犠牲者が出ています。前年の安政元年にはマグニチュード8クラスの安政東海地震等が連続し、関東から近畿・四国など広範囲に大きな被害が及んでいます。
 また、安政3年には、「江戸大風雨、城中ヲ始トシテ市中大小ノ家屋殆ド損破セラル・・」(東京市史稿)とあるように、江戸は大洪水にも見舞われています。災害救援物資等の備えも乏しかったとみられる時代にあって、江戸庶民が被った悲惨は想像に難くないと思います。安政の大地震から、既に150年以上経過しています。首都東京は、災害への備えに一刻の猶予も許されません。


古文書背表紙