平成23年9月1日(木) 素手で立ちあがった復興 陸前高田市<地震編>
東日本大震災を被った岩手県陸前高田市で今週、田んぼの草刈りをさせていただきました。海から陸へ襲来した大津波が市役所を飲み込んだ瞬間、防災課の職員全員は防災資器材から離れなかったそうです...殉職でした。防災行政無線もつながらない、防災手引やパソコンもすべて流された。大切な人命も文化も思い出もすべてが根こそぎ持っていかれてしまう。大震災に遭うということは、こういうことだ。被災地はゼロから素手で立ち上がった復興だったのです。
陸前高田市の海に面した広田地区。海近くに保育園、小学校、中学校、高校が隣接をしていました。地震後、海から津波がまるで高いビル壁のように大きく高くおおいかぶさるように押し寄せてくるのが見えてきました。中学生はとっさに隣の保育園に入り、園児をおぶいながら裏の高台へ一緒に避難し、全員の命が救われました。中学生達の勇気ある行動と、日ごろから顔の見えるまちで育まれた人々のやさしさや結びつき、地域の強さがひしひしと伝わってくるのでした。
高台へ避難し全員の命が救われた