平成23年8月13日(土) 自然災害との共生<地震編>
一度この談話室で取上げたが、江東区州崎神社にある石碑(波除碑:東京都指定有形文化財)を訪ねた。寛政の高潮による大災害を機に、幕府が近辺への居住を禁じたものだ。この時の対策は、被災地を空地にすることによる、いわば自然災害との共生であった。当時、亡くなった多数の犠牲を後世に伝えようとした教訓の標でもある。が、今日では知る人も多くないようで、境内の片隅にひっそりと守られていた。科学や技術の発展による災害への備え、予知の精度を高めることも、もちろん重要である。加えて、災害は必ず起るものとして、いかにその被害を少なくするかという減災の考え、また、日頃の防災訓練や隣近所の助け合いも大切に思う。
今夜も、渋谷のあちこちで、地域の盆踊りがたけなわである。遠い昔に思いを馳せるとともに、現代を生きる人々の絆を確かめ合う場でもある。柔らかな電球色の、懐かしい夜店や郷愁を誘う太鼓や音頭、なによりも普段ご無沙汰している懐かしいお顔にも出会える。
|
波除碑(なみよけひ:1794年頃)
|