談話室

平成23年5月16日(月) 歴史に見る大地震<地震編>

 理科年表で、我が国の主な地震被害を調べてみた。歴史に記された最初の地震は、西暦416年(允恭5年)の「日本書記」のものである。そこからM8級クラスを順に辿っていくと、684年(天武13年)のM81/4南海トラフ沿いに続き、869年(貞観11年)にM8.3、三陸沿岸とある。2011年3月11日のM9の東北太平洋沖地震までのおよそ1600年間に、実に30回近く発生している。単純に平均しても、ざっと約50年に1回の割合だ。つまり、一生に1、2度は誰でも大きな地震に遭遇することになる。私たちは、否が応でもこれからも地震と付き合っていかざるを得ない国に住んでいる。

 繰り返し尊い命が失われてきた。今は、被災地の1日も早い復旧・復興に励むとともに、なお、地震災害への備えをおろそかにしてはならない。地震に強い街づくりは当然であるが、被害を少しでも和らげる視点の対策も重要である。天災は忘れたころにやってくるから、「想定外」と人々は言う。しかし、歴史は確実に大地震が起こることを証明している。