平成21年8月1日(土)介護ベッドの転落防止柵の隙間に注意<生活篇>
高齢者にとって介護ベッドが凶器になる事故が発生しています。介護ベッドの手すり。そのたった6センチのすき間に首が挟まれ亡くなられた方が、平成14年から平成20年の間に10名もおられます。
東京消防庁の統計によると、平成18年からの3年間、介護ベッドにかかわる事故で160人の方が病院へ搬送されています。そのうちの約9%にあたる14人は、手すりや柵などの可動部に挟まれた事故でした。にもかかわらず、そのままベッドは現在も販売され続け、今年3月にはJIS改正がされても、千葉県でご高齢者が同様の事故で大切な命を落とされました。
北欧では、特に高齢者や障害者が利用するベッドや機器は、国が運営する福祉機器研究所で専門家チームによる万全の検査が行われます。それらにパスした安全な機器が、都・県が運営する「福祉機器センター」という専門の機関を通じてさらにチェックされるという二重三重の安全網がつくられています。それらをパスした機器やベッドのみが、最終的に区や市の福祉機器センターから消費者のもとに届けられるというわけです。しかも住民に一番近い自治体の運営するセンターですから、高齢者や障害者の方個人の体に合わせてオーダーメイドで調整した機器が提供される丁寧さです。
安全の問題は、企業に対する規制だけでは達成できません。安全を保障する北欧のような社会システムも同時につくっていくことが大切ですね。