新たな被害想定と東日本大震災の教訓から、東京都の地域防災計画を平成24年11月に修正しました。大津ひろ子都議は、防災対策特別委員長として議会サイ
ドからこの計画の審議に携わり皆様の声を反映しました。
計画倒れにしてはなりません。都民一人ひとりの目線で東京を鍛え上げ、たゆまぬ備えをすることで実効
性を高め命と安全を守ることが大切です。
I.災害に強いまちづくり
防災計画 策定の概要
再検証 | 首都直下地震 | 東京湾北部地震(M7.3)
多摩直下地震(M7.3) |
追加 | 海溝型地震 | 元禄型関東地震(M8.2) |
追加 | 活断層で発生する地震 | 立川断層帯地震(M7.4) |
想定外を許さない覚悟で、今までは首都直下地震しか想定していなかったため、過去最悪の津波地震(元禄型地震)や東京の活断層地震(立川断層帯地震)を追加して、冬の18時、風速8
m/秒とし見直したもの。
この結果、被害想定は、死者数約1万人、満潮時最大津波高2.61m(品川区)、避難者数約
339万人、帰宅困難者数約517万人、建物被害約30万棟、断水約35%、停電約18%、となりま
した。対処として、
- 不燃・耐震化による予防
- 木造住宅密集地域の減災対策
- 津波対策
- 助け合いの総力を結集
により6割減へ地震のこわくない高度防災都市東京を構築します。
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1.向こう三軒両隣が命を救う?!
先ずは“自分の身は自ら守る”ことですが、生き埋め等からの救助では、「家族に」、「友人・隣人に助けられた」が約60%を占めています(阪神・淡路大震災の報告書から)。家族で災害時集合場所や安否確認方法を話し合ったり、防災訓練に出てご近所と日頃から助け合うことも大切です。“体で覚えた”ことは忘れません。昔から「向こう三軒両隣」と言われますが、大都市ではなかなか難しい面もあります。他所の地域や団体ではどんな工夫をしているかなど、参考にしてみましょう。都では「東京都防災隣組」として認
定する制度を設けています。先進事例も参考にしてみませんか。
▶検索キーワード「防災隣組」
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/japanese/tmg/tonarigumi/index.html
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2.燃え広がらないまち 倒れない都市へ
今度の防災計画の特徴は、震災時の想定死者数と全壊・消失建物数を被害想定の約6割減にするなど具体的な目標を掲げたことです。東京の弱点の一つは、木造住宅密集地域が山手線外周部に広範に分布していて震災時の火災の拡大が心配されています。しかし、なかなか改善が進んでいないのが現状です。耐火建築物や準耐火建築物への建替えが急務です。そのためにも、先ずわがまちの危険度を確認してみましょう。東京都は地震に対する危険性を、町丁目ごとに測定した危険度マップを公開しています。
▶検索キーワード「給水拠点一覧」
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/chiikikiken.htm
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3.命の水を確保しよう 目安は1日3リットル
震災時の飲料水の基本量を、大人が命を維持するのに必要な水の量に少し余裕をもたせた3リットルとしています(水道局)。先ずは備蓄を心がけましょう。また、渋谷区内の震災時でも水が飲める給水拠点は、①都立代々木公園、②都立第一商業高等学校、③恵比寿4丁目の区立景丘公園の3か所です。例えば代々木公園にある応急給水槽に貯えられる水道水は流れる構造になっているため、常に新鮮さが保たれています。
▶検索キーワード「給水拠点一覧」
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/water/pp/suido/kyusui_point.html
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4.津波・高潮も無縁ではない!河川にも注目
東日本大震災の際、東京の河川でも津波の影響が見られました。例えば渋谷川の下流に位置する古川(四の橋付近)では最大1.1mの水位上昇が観測されました。被害想定の見直しの結果、海溝型地震(元禄型関東地震M8.2)の場合の最大津波高は2.61m(品川区)に見直されました。都では、この想定津波高であれば高潮対策で最低3.35m以上で整備している堤防・水門で対応可能としています。
しかし、堤防や水門、橋梁などの構造物そのものの耐震性の強化が必要です。関連して、平常時の渋谷川・古川の洪水予報(豪雨で氾濫する恐れがある時)が平成24年6月から開始されています。
▶検索キーワード「洪水予報」
http://www.kasen-suibo.metro.tokyo.jp/
II.命を守るしくみ
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5.温かいトモダチ作戦 命を救う広域連携
人命を救うには、生存率が高い3日間以内で!…「72時間の法則」を活かすために、自衛隊、警察、消防の3機関の能力を発揮すること、また円滑
に他県や海外からの支援を受け入れることが広域連携の鍵。支援機能をフル回転させる対処要領を今から準備していきます。
空から海から川から陸から…首都東京は東京湾、河川、空港、道路とすべての方面から救援受入体制を構築することで、危機管理を徹底します。
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6.試してみませんか!
災害伝言ダイヤル171
災害時には、誰でも家族や知人の安否を確認し、無事を伝えあいたいと思います。しかし、
東日本大震災時に通常の電話がなかなか繋がりませんでした。災害用伝言ダイヤルがあることは知っていても、実際使ったことはありますか。毎月1日と15日や防災週間(8/30~9/5)等には体験できます。是非、一度は使ってみましょう。使い方は、ご自分の使用
電話によって異なっています。先ずは契約電話会社のホームページなどで確かめることから始めましょう。
▶検索キーワード「災害用伝言ダイヤル」
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/japanese/message/index.html
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7.船頭はひとり 災害医療コーディネーターの配置
図らずも得た教訓は、災害時の的確な医療救護活動です。どこに負傷者がいるのか、指図する船頭はひとりにして情報を一元化し、早く治療を施し命をつなぐことです。災害時専門治療ができる東京DMAT(災害医療派遣チーム)をつくりました。また、日頃から災害に備えて医療が提供できるように、地域ごと(渋谷区、世田谷区、目黒区がひとつ)に災害拠点病院を指定し、災害専門医師を配置しました。
<災害拠点病院>
- 都立広尾病院
- 日本赤十字社医療センター
- 至誠会第二病院
- 国立病院機構東京医療センター
- 公立学校共済組合関東中央病院
- 都立松沢病院
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8.ご存じですか? 命を守る防災用品
いざという時の防災グッズ。皆さんも独自に用意されましたか? 最近では軽量コンパクトなものもあり、「百聞は一見に如かず」です。大津委員長が開催した防災講演会では、参加者の皆さんに実際に手にとって見て頂きました。
例えば、折りたためば手のひらサイズになるアルミ製毛布とふとん(写真右)です。
発災時の渋谷駅滞留者数厄18万人想定。
防災代々木公園周辺は21万人避難できます。
III.被災からのすばやい立ち上がり
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9.女性の力と参画が復興を加速する!
都議会でも大津ひろ子都議が質問し、都も男女双方の視点に立った防災対策の構築を約束しています。防災計画から復興に至るまで、特に避難所の運営を円滑に行うには女性の参画推進と男女双方の視点と要援護者への配慮が必要です。更衣室、授乳室の設置、生理用品、女性用下着の女性による配布、パトロールの実施等の避難所での安全の確保、女性や子育て家庭のニーズに配慮した避難所運営が求められています。
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10.餅は餅屋に 災害時こそ民間ノウハウの活用を!
大災害からの立ち直りには、避難者への物資の輸送が迅速かつ円滑に行われる必要があります。ここは行政に頼っていてはスピード感が期待できません。道路事情や土地勘のあるプロドライバーの登場です。東京都は平成24年10月に「社団法人東京都トラック協会」等と災害時の物資輸送に関する協定を締結しています。備蓄倉庫や公共トラックターミナルの被災情報を的確に把握し、大災害時の物流体制をすばやく構築する
ための民間ノウハウの活用です。民間の力を応用した総力を結集した備えをすすめましょう。
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11.放射性物質対策 迅速な初動体制と情報公開の徹底
都内で原子力災害による放射性物質の影響が懸念される事態では、迅速な初動体制の構築と徹底した情報公開が必要です。都内にも放射
線等使用施設がありますが、国任せにせず、平時からの管理の徹底・立ち入り調査等を行うべきです。
因みに、東京電力福島第一原発の事故に伴う環境放射線の測定結果については、東京都の公式ホームペー
ジで確認できます。画面左上「環境放射線測定結果」をクリックすると見られます(平成25年1月23日現在) ▶環境放射線測定結果のアドレス
http://monitoring.tokyo-eiken.go.jp/
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12.そして、一日も早い生活再建を!
東京都地域防災計画ではライフラインを60日以内に95%以上回復する目標を設定。電力が7日、通信が14日、上下水道が30日、ガスが60日以内です。東北では、被災から仮設住宅の建設まで半年かかりました。被災後は「り災証明」を速やかに発行してもらうことが必要です。自分の家屋が「全壊」か「半壊」なのか公的に判定してもらうことが全ての生活再建支援の基礎になるからです。東京の「り災証明」対象家屋は約75万棟と想定し、東京都と区役所が合同で発行訓練を行いました。これを支える発行システムのバックアップ体制も万全を期します。
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